ジェネリック医薬品に関して
医薬品は大きく分けて2つに区分されます。
先発薬(新薬)と呼ばれる、世界で初めて開発された薬と、後発医薬品(ジェネリック医薬品)と呼ばれる、新薬の成分を使って製造した薬です。
病院などに行くと、医者からジェネリック医薬品でも大丈夫ですか?や、院内にジェネリックのポスターなども見かけたことはないでしょうか?
今日はそんなジェネリック医薬品に関する記事を書いていこうと思います。
- ジェネリック医薬品の歴史
- ジェネリック医薬品はどうして格安なの?
この問題を解き明かしていきましょう。

ジェネリック医薬品の歴史
ジェネリック医薬品が日本でこれだけ普及した背景にはインドネシアの医療事情が大きく関係しています。
1998年、現在のジェネリック医薬品研究会理事、「武藤正樹」氏がアジアの医薬品流通影響調査をするためインドネシアに出かけた際、インドネシア政府のジェネリックに対する力の入れ方に目を疑ったと言います。
インドネシアはジェネリックを製造する企業3社に流通業者1社でインドネシア全域にジェネリックを推奨していました。
その後、ルピア大暴落によって海外からの医薬品流通が止まった後でも、国内のジェネリック製造に力を入れていたインドネシアは医薬品の流通に困ることもなく、また国民たちも抵抗なく、全国民が健康を維持できたと言われています。
その数なんと2億人。
この事実を知った武藤正樹氏は、日本に帰ってきた後に日本でもジェネリックを流通させようと奮闘します。
しかし日本人に馴染みのないジェネリック医薬品への抵抗は大きく、なかなか流行ることがありませんでした。
では、何故今のようなジェネリックを医師が推奨するようになったのか?
これは日本の厚生労働省が管理する、ジェネリック医薬品への試験が大きく関係します。
従来までのジェネリックの検査はマウスなどを使った動物実験だったものを、人体実験に変更し、長期保存や溶け出しても成分に変更がないのか?を検査する溶出試験も義務化されました。
このような活動が人へ安心感を与え、かつ後述しますが安値で購入できるジェネリック医薬品は2000年を口きりに2029年現在で80%の普及率が目前となっているのです。
ジェネリック医薬品は格安
どうして病院でもらうジェネリック医薬品は安いのか?不思議に思ったことはありませんか?
薬剤師さんたちも、先発薬と同じ効果で安くお買い求めできますよ、など言われてもその理由を知らなければ体内に入れ込む薬として不安ですよね。
ジェネリック医薬品が安く購入できるので、とてもシンプルで新薬の成分を使うからです。
新薬の成分は、いわば全くの0から開発して、人の健康を守る薬を開発するため、開発費用が尋常ではありません。
その金額は数十億円から数百億円にも及ぶと言われています。
そこに研究者のお金であったり、臨床試験でのお金であったりが重なってしまうことで、膨大な金額へと膨らみ、それらの研究費を回収するために新薬は高額になっています。
しかしジェネリックは新薬の既に研究済で、販売されている成分を使っているからこそ研究費などを抑えることができて、安値で販売されているのです。
同じ成分の先発薬を飲んでいた人であればジェネリックに切り替えた時に少し疑問に思うかも知れません。
例えば、味が違う?であったり、見た目の形状、色合いなどが違う場合もあります。
実はジェネリック医薬品は後から販売したからこそ出せる強み、服用のしやすさは変更しても良いと法律によって定められています。
これによって先発薬が苦くて飲めない、形状が大きくて喉につかえるなどの問題がある場合には、むしろジェネリック医薬品の方が飲みやすかったりもします。
ジェネリック医薬品まとめ
ジェネリック医薬品がどのようにして日本で流通しはじめたのか、それはインドネシアの政府活動が大きく関係していたのですね。
そしてジェネリック医薬品が何故安いのか、そんな秘密も解き明かしてみました。
2019年は少子高齢化時代、高齢者が多く医療費は過去最大の金額に昇っていると発表がありました。
医療費削減のためにも、ジェネリック医薬品を選択してみるのも良いでしょう。